
静岡県内をはじめ、中京地区や京浜地区など全国20の青果市場へ出荷を行うJAみっかびさま。直売所やECサイト、コールセンター等を通じた消費者への直販事業も幅広く展開されています。
同組合の選果場は、床面積22,411.08平方メートルという広大なスケールを誇り、1時間あたりの選果処理能力は66.9トンに達します。多種多様なチャネルへ高品質な青果を安定供給するという、日本の食を支える重要なインフラとしての使命を担う巨大拠点です。

導入前、現場は大きな2つの限界に直面していました。1つ目は、属人的な「人力選果」への過度な依存です。従来の光センサー等では「生傷」などの判別ができず、大小問わず弾くべきキズ果は、出荷前の生産者と選果場内の従業員による目視に頼らざるを得ない状況でした。特に天候不順の年は人力への依存度が急増し、莫大な労力がかかるだけでなく、製品品質のブレを引き起こす強い危機感を抱えられていました。
さらに市場では、段ボールの小口化(10kgから8kgへ)や、多様な製品規格へのニーズが急増。1日の荷受量が変わらないまま、製品の仕分けと搬送能力の大幅な向上が急務となっており、単なる機械の入れ替えではない抜本的な改革が求められていました。
数あるメーカーの中からシブヤをお選びいただいた最大の理由は、「AIを用いた選果(眼)」から「ロボットパレタイザや自動倉庫による搬送・積付け(手足)」までを統合した、トータルエンジニアリングの提案力でした。
深層学習をベースとしたAI判定システムの導入において、実現可能性が高く、かつコスト面も十分に考慮された現実的な提案を提示できたのはシブヤただ一社のみでした 。部分的な設備の切り売りではなく、運用面や将来的な拡張性までを緻密に見据えた総合的なライン構築が決め手となりました。
さらに、運用開始に至るまでのサポート体制も高く評価いただきました。農業に対する深い知見に基づく的確な課題認識と、それを具現化する高い実行力。そして何より、営業部門と技術部門の双方が常に情熱を持ち、真摯かつ迅速に対応する姿勢に対し、産地一同からの「強い信頼と深い敬意」という身に余るお言葉をいただくに至りました。

新システムの稼働により、長年の課題であった「人力依存」と「輸送業者の負担」は劇的に改善されました。まず選別工程においては、AIによる高精度な判定が従来の選果システムと同等の精度を安定して叩き出し、生産者および選果場における人力作業の労力を約50%削減することに成功。属人化から脱却し、天候に左右されない強靭な品質管理体制を実現しました。
そして物流工程におけるパレタイズ作業は、ロボットシステムによって完全自動化。輸送業者による人力での手積み協力は一切不要となりました。複数アイテムの混載という複雑な処理を行いながらも、現在に至るまで積み間違いなどのエラー発生はゼロ。稼働を絶対に止めず、安定した物流インフラを構築するという期待以上の成果を生み出しています。
この圧倒的な成果は広く注目を集め、現在では全国の産地や行政から多数の視察者が訪れるなど、大きな反響を呼んでいます。
消費者のニーズは今後も多様化し、高い品質水準が求められ続けます 。JAみっかびさまは現在の産地規模を維持しながら、選別作業における更なる精度向上と省力化を追求し、進化を止めることはありません。
この終わりのない挑戦において、シブヤに求められているのは「単なる設備ベンダー」としての役割ではありません。最先端技術の積極的な導入と、信頼性の高い確かな技術力を基盤に、産地が抱える未知の課題に対して共に悩み、「ダントツ共進化」のパートナーとしての存在です。
私たちはこれからも、お客さまが描く理想の現場づくりから決して逃げることなく、境界を越えた強固なスクラム体制で、日本の農業インフラの未来を共に切り拓いてまいります。