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コラム
Sep. 2026

世界初の自動細胞培養システムをタイへ納入し、再生医療のグローバル展開を加速

  • 医薬・医療

医療先進企業MEDEZE社とのパートナーシップで再生医療の産業化をリード

 澁谷工業は、幹細胞を培養して増やし回収する作業を無人で行う世界初の「自家細胞バンク向け自動細胞培養システム」を、タイの先進医療企業であるMEDEZE社へ正式に納入しました。2024年の発表時におけるシステム概要の紹介からフェーズを進め、今回のマイルストーンは実際の商業化・実用化のステージへの突入を意味しています。当社が培ってきた無菌制御や液体ハンドリング技術を結集し、アジアをはじめとする世界的な細胞バンク需要を確実に捉え、グローバル市場における再生医療の産業化を強力に牽引していきます。

ヒトを徹底排除した完全無人の「自動細胞培養システム」がもたらす最高峰の安全性

 本システムの核となるのが、徹底した無菌環境を維持する「自動細胞培養システム」です。従来の細胞製造において最大の汚染源となっていた「ヒト」を作業エリアから完全に排除する設計を実現しました。「細胞加工ユニット」では密閉された高度な無菌空間の中で、ロボットが培地交換や細胞の足場への播種、継代といった一連の作業を自動で行います。これにより、人為的なミスや汚染リスクを極限まで低減させることが可能となります。
 更には、このシステムには自律走行搬送ロボット(「AMR」)と多数の独立した「インキュベーションユニット」(細胞培養庫)が装備されています。衝撃や環境変化に極めて敏感な細胞を安全に運ぶため、AMRは高度な制御アルゴリズムによって滑らかに自律走行します。約100室もの独立したミニ培養庫と「細胞加工ユニット」の間をロボットがシームレスに連携することで無人の空間を構築します。人の存在を排除したことにより、デリケートな細胞に最適な恒温状態を常に維持し、安定的かつ高品質な細胞製造を可能にしました。

1日に大量の検体数を処理する驚異のライン生産方式

 細胞加工を従来のバッチ作業から、一連の作業を細分化し、受け渡しリレーのように処理を行う効率的な「ライン生産方式」へと変革することで、1日最大24バッチという圧倒的な処理能力を誇る商業ベースの大量生産体制を確立しました。各作業エリアの差圧や気流管理、および換気、運用方法によって、検体毎の交差汚染の懸念を完全に排除しています。

機器納入に留まらないトータルエンジニアリングで次世代の細胞ソリューションを提供

 当社の強みは、単に最先端の機械を製造して届けるだけではなく、施設のバリデーションからソフトウェアの統合、運用コンプライアンス管理までを網羅する「トータルソリューション」の提供にあります。各国の厳しい医薬品・医療機器の規制に対応するエンジニアリング体制を確立しており、今回のMEDEZE社への納入・稼働はその世界的なベンチマーク(基準)となります。お客様のブランド価値を高める次世代の細胞インフラとして、世界中の人々へ安全で高品質な治療やヘルシーエイジ(健康な老後)の選択肢を届けてまいります。