
INTERVIEW
プラント技術本部 微生物制御技術部
技術Ⅰ課
2021年度 新卒入社
M.Y.
大学では生物学を専攻していましたが、就職活動の際、地元である石川県で働き続けることを第一に考えていました。しかし、県内で生物学の知識を直接活かせる企業は限られています。地元での就職を優先するなら、大学で学んだ専門分野の道に進むのは難しいかもしれない。当時はそんなふうに、少し諦めのような気持ちを抱えていました。
でも就職活動を通して澁谷工業を知ったとき、意外なところでその知識が生かされていることを知りました。機械をつくる企業の中に、生物学の知識が不可欠な領域が存在していたのです。現在所属する微生物制御技術部で私が担うのは、飲料ボトリングマシンが無菌環境を作り出せているかという事実を検証する最終工程。
図面通りに機械を組み上げるだけでは、飲料の安全は担保されません。お客さまの工場へ赴き、実際に機械の殺菌機構を通過させて菌の死滅を自らの手で測定します。無菌環境を目指す機械に、生物学な視点から安全の証明を与える。それが私の現在の役割です。

現場での検証は、まずは自然環境には存在しないほど熱に強い菌を自ら培養し、テスト用のボトルに付着させます。そのボトルを機械に通し、確実に菌が死滅しているかを確認するのです。
ここで直面するのが、相反する物理条件との戦いです。確実に滅菌するにはお湯の温度を上げる必要がありますが、温度を上げすぎれば今度は熱によってボトルが変形し、決められた容量の飲料が入らなくなってしまいます。
「もう少し温度を下げられませんか」「これ以上下げると、滅菌効果にリスクが出ます」機械のすぐ横で、お客さまとそんなやり取りを何度も交わします。お客さまの希望するボトルの形状や材質、そして生産スピード。それらの条件を満たしつつ、培養した菌が死滅するギリギリの温度を探り当てるため、少しずつパラメータを変えながら繰り返しテストをします。
私が設定した温度のさじ加減一つで、生産コストやラインの稼働そのものが決まってしまうプレッシャーがあります。しかし、生物学の知識をもとにお客さまと肩を並べて最適な数字を見つけ出し、正常に滅菌できるようになったときは、信頼関係が生まれるとともに、仕事のやりがいを感じています。


現場での検証を終えて無事に納品しても、私たちの仕事は終わりません。社内に戻り、設計や製造のメンバーを集めて結果報告会を開きます。
「ここの構造だと、お客さまが洗浄する際に少し負担がかかります」
現場に行かない設計担当者へ、図面では見えないブラッシュアップポイントを伝えます。納品前の最後に機械を見届ける私たちが部署の壁を越えて声を上げ、常に次の機械のアップデートをすること怠りません。
休日に店頭へ立ち寄ると、自分が安全を証明した機械から生まれた飲料が並んでいるのを目にします。入社前は気に留めることもありませんでしたが、今ではその商品を見るたびに、正常に稼働するお客さまの生産ラインの様子が頭に浮かびます。
自ら見極めた検証と、仲間と磨き上げた機械が、人々の安全を根底で支えていく。社会の当たり前を守りながら、チームで次世代のインフラを進化させることを、私は目指しています。
