
INTERVIEW
プラント生産本部 生産統括部 購買部
購買Ⅰ課
2019年度 新卒入社
T.K.
就職活動で澁谷工業の工場を見学した際、大きなボトリングシステムの圧倒的なスケール感を目の当たりにし、「自分もこの巨大な機械を創り上げる一員になりたい」と入社を決意しました。
現在私が担当しているのは、そのボトリングシステムを物理的に形にするための部品調達です。1つのシステムを作り上げるために必要な部品は、約1,200から2,000点。取引先は約50社に上ります。購買と聞くと、PC上で発注処理を行うだけのデスクワークを想像するかもしれませんが、現実は異なります。これだけ膨大な数の部品が関わる巨大なプロジェクトですから、すべてがシステム上の予定調和で進むわけではありません。
「メーカーの生産がいっぱいで、どうしても一部の納期がズレる」。そんなイレギュラーな事態が発生したとき、「この部品が来ないなら、全体をどう動かすか」と知恵を絞る局面にこそ、この仕事の醍醐味があります。
設計図を「現実の機械」にするためには、設計担当者や工場のプロたち、そして外部の協力メーカーと直接言葉を交わし、調整するハブの役割が不可欠です。

予測不能なトラブルが起きたときこそ、ハブである購買の腕の見せ所です。あるとき、機械の心臓部とも言える重要な部品の納期が大幅に遅れる事態が発生しました。システム上の納期表示は「未定」。これでは納入先のスケジュールに間に合いません。私はデスクから立ち上がり、そのまま工場で作業するエンジニアのもとへ走りました。
「例のモーターなんですが、どうしても今週中には入りません。なんとか、別の部分から先に組み始めることはできませんか?」。図面を広げながら直談判すると、現場の職人は少し考え込み、「……なら、こっちの充填ヘッドの配管から先に仕上げよう。それなら日程に影響は出ない」と、組み立ての手順をパズルのように組み替えてくれたのです。
このとき、もし私がメールのやり取りだけで済ませていたら、きっと「図面通りにしか組めない」と突き返されていたでしょう。日頃から現場に足を運び、雑談を交わし、顔を突き合わせて相談できる関係値を作っていたからこそ、彼らは柔軟に対応してくれました。何千という部品をつなぎ合わせ、1つの大きな機械を動かすのは、決してデジタルなシステムではなく、人と人との、生きたやり取りなんだと考えています。


調達する部品の約10分の1は、世の中に存在しない澁谷オリジナルの特注品です。未知の仕様を実現するために協力メーカーへ製作を依頼する際、図面通りにすんなりと進むことは決して多くありません。社内の設計からは「どうしてもこの仕様で進めたい」と要望が出る一方で、メーカーからは「それは厳しい」と難色を示される。そんな状況下で私が意識しているのは、相手の言葉から「事実」と「意見」を冷静に切り分けることです。
メーカーの言う「厳しい」とは、物理的な設備の限界(事実)なのか、それとも過去に経験がないことへの懸念(意見)なのか。そこを現場との対話で紐解き、「それなら、この部分の条件を少し調整すれば製作可能ですか?」と、双方が納得できる折衷案を探り当てます。
社内の要求をただメーカーに押し付けるのでもなく、メーカーの都合だけで社内を説得するのでもなく、双方のメリットが重なる着地点を自ら導き出す。 単に部品を「買う」のではなく、社内外のプロフェッショナルたちと「共に創る」ことこそが、大きなボトリングシステム制作を前へ進める購買の役割だと確信しています。
