
INTERVIEW
Shibuya Hoppmann Corporation
技術管理本部 先端情報技術推進部
2002年度 新卒入社
T.O.
入社当時の私は、日本の優れた技術を持っていけば、海外市場でもそのまま通用するはずだと信じて疑いませんでした。完璧な設計図さえ引ければ、世界中どこでも同じように機械が作れる。そう思っていたのです。
しかし、いざ海外事業の最前線に立つと、その思い込みは脆くも崩れ去りました。「俺たちの基準とは違う」「なぜこの手順で組まなければならないのか」。言語や商習慣の違いからこちらの意図が伝わらず、現地のスタッフが図面通りに動いてくれない。どんなに精緻な図面があっても、現場が腹落ちしていなければただの鉄の塊にしかならない現実を突きつけられました。
現在は米国拠点であるShibuya Hoppmannに所属し、プロジェクトマネージャーとして医薬・食品分野の巨大プラント構築を牽引しています。日本が誇る盤石な技術を、厳しい法規制や独自の品質文化を持つ海外の現場にどう適応させるか。それが、グローバル展開を担う私のミッションです。

米国、欧州、そして日本。時差も文化も異なる関係者をまとめる上で、私が心に決めているのは、机上の空論で終わらせないことです。国境を越えたプロジェクトは、メールやWeb会議で指示を出すだけでは決して完成しません。
以前、現地の協力会社とシステムの仕様で意見が衝突したことがありました。私はPCを閉じ、そのまま現地の工場へ足を運びました。「ここの配管は、日本の基準ではこの手順で組まないと、後の工程でリスクが出るんです」。図面と実機を前に、なぜこの仕様が必要なのかを直接ぶつけ合います。すると相手のエンジニアも「なるほど、そういう意図ならこの手順に変えよう」と歩み寄ってくれました。
エンジニアリングは技術で解決し、海外プロジェクトは対話で進める。この信条を胸に各国のプロフェッショナルたちをまとめ上げ、異国の地で巨大なシステムが力強く稼働し始めた瞬間。お客さまと最高の笑顔で酌み交わす一杯は、海外駐在だからこそ味わえる格別なものです。

澁谷工業が海外市場でシェアを拡大していくためには、ただ日本の完成された設備を納品するだけのベンダーで終わってはいけません。相手の言葉の裏にある真の意図を汲み取り、文化の壁を超えて共通のゴールを描くコミュニケーションが必要です。
海外のお客さまから、この仕様でいきたいと要望があったとき、私は背景にどんな運用上の課題があるのかを対話の中から探り当てます。日本の高い基準を一方的に押し付けるのではなく、現地の生きた声と掛け合わせ、お客さま自身も気づいていない潜在的な課題を先回りして解決していく。そのプロセスを通じて、私たちは単なる日本のメーカーと海外の顧客という垣根を越えていきます。エンジニアリングという共通言語を軸に、多様なステークホルダーを一つのチームとして統合し、共に新たな技術の限界を押し上げていきたいと考えています。
シブヤの技術と組んで良かった。その言葉をいただくために、世界中のチームと深く関わり合いながら、日本の技術を海外市場で最適化させていく。未開拓の課題に共に挑み、グローバル事業を牽引する戦略的パートナーとして、これからも海外の最前線を走り続けます。
