当社は、2023年2月10日開催の取締役会において、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に基づく開示に就き決議いたしましたので、TCFDの提言に賛同し、気候変動に関する重要情報を以下のとおり開示いたします。
気候変動への対応をはじめとするサステナビリティに関する課題については、担当取締役を委員長とするサステナビリティ委員会にて審議及び検討しております。サステナビリティ委員会は、当社グループの内部統制システムのうち、内部統制関連の委員会として設置しており、サステナビリティ委員会で審議及び検討された議案については、取締役会への報告を年1回以上の頻度で実施します。当社は、持続可能な社会の実現のために「シブヤグループにおけるサステナビリティに関する基本方針」を取締役会で決議いたしました。今後は同委員会において気候変動への対応をはじめとする具体的な取り組み、活動方針の検討も進めてまいります。

気候変動によるリスク及び機会の特定にあたり、2050年のカーボンニュートラルと整合する2030年目標が日本において設定されていることから、2030年時点を想定したシナリオ分析を行いました。分析では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)が公表するシナリオを用いて、産業革命期頃の世界平均気温と比較して2100年頃までに気温が4℃上昇するとする4℃シナリオと、カーボンニュートラルへの取り組みにより気温上昇が2℃以下に抑制される1.5℃シナリオの2つのシナリオで定量的・定性的な分析を行いました。
4℃シナリオにおいては、台風や豪雨、豪雪などの異常気象の激甚化によって当社の生産拠点や物流への直接的な影響を想定しております。そのうち、国土交通省が公表する治水経済調査マニュアルを参考に、洪水被害と高潮被害については発災時の被害予測を定量的に評価・把握しています。また、主に国外にて拡大する干ばつ被害による影響から、水の供給需要と節水需要が拡大することを予測しており、自社製品の環境性能向上が世界的な気候変動への適応及び緩和に資するものと認識し、社会貢献の可能性を確認しています。対して1.5℃シナリオにおいては、カーボンプライシング制度の導入が当社にも直接的な影響を及ぼすものと想定しています。また、定量的な分析では比較的軽微な影響として試算したものの、製品の原材料である鉄・銅・アルミニウムをはじめとした資材価格が高騰する可能性も認識しています。一方で、製品に対する脱炭素化需要が拡大することを想定しており、特に販売製品の省資源・省エネルギー性能の向上や資材調達段階を含むライフサイクル全体での環境負荷の低減、再生材の利活用を見据えた技術的対応の推進が、新たな機会獲得及び事業拡大に資するものと認識しています。
| 項目 | 2030年時点における影響 | 4℃ シナリオ | 1.5℃ シナリオ | 参考シナリオ | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 要因と事象 | ||||||
| 脱炭素化への移行 | リスク | カーボンブライング | 炭素税の導入による事業運営コストの増加 温室効果ガス排出量削減に向けた投資額の増加 | 小 | 大 | 【参考シナリオ】 IPCC RCP1.9〜2.6 IEA SDS / NZE2050 |
| 原材料価格の変動 | 鉄・銅・ステンレスをはじめとした原材料仕入れ価格の高騰 | 小 | 中 | |||
| 機会 | 脱炭素ニーズの拡大 | プラスチック使用量の削減による製品の需要拡大 電気使用量削減による製品の需要拡大 | 中 | 大 | ||
| 地球温暖化による 直接的影響 | リスク | 平均気温の上昇 | 出張先や屋外での従業員の熱中症リスクの増加及び業務効率の低下 | 中 | 小 | 【参考シナリオ】 IPCC RCP4.5〜6.0 IEA STEPS |
| 気象災害の激甚化 | 台風・豪雨・豪雪をはじめとした気象災害による直接的被害の拡大 | 大 | 大 | |||
| 機会 | 干ばつ | 水不足による水の供給需要と節水需要の拡大 | 大 | 中 | ||
当社グループでは、「シブヤグループにおけるサステナビリティに関する基本方針」を定め、環境経営の推進に取り組んでいます。具体的には、お客様における省資源・省エネルギー化や脱炭素化需要に応えるために、以下のような製造システムの開発やサプライチェーン全体での環境負荷低減を目的としたグリーン調達基準書の策定など、脱炭素化への貢献を目指した取り組みを行っております。また、目的及び機能別に各種リスク管理委員会を設置することでリスク管理体制の強化に取り組んでおり、レジリエンス性の増強に努めています。
省資源・省エネルギー化や脱炭素化へ対応した製造システムの事例
当社グループにおける様々なリスクについて、目的及び機能別に各種リスク管理委員会を設置しております。気候関連リスクについては、サステナビリティ委員会にて識別・評価を行う体制となっており、審議された内容は取締役会に報告を行うこととしています。また、大規模な自然災害をはじめとする事業活動遂行上脅威となる予想困難な事態に対応するため、取締役社長を本部長とする危機管理緊急対策本部を設置しており、当社グループに危機が発生したと判断した時は、機動的に執行体制を整備できるよう体制を整えております。今後は、個別の気候関連リスクについて、サステナビリティ委員会で識別・評価を行う中で、気候変動に関するリスク管理体制を整えてまいります。
2050年のカーボンニュートラル達成を掲げる国際的な目標及び、国内における2030年を対象年とした2013年度比での温室効果ガス排出量の削減目標46%に準拠するため、事業活動から排出される温室効果ガス量の継続的なモニタリングを実施してまいります。当社グループでは、温室効果ガス排出量を指標とし、2030年を対象年とする2020年度比30%削減を目標に設定しています。なお、過去年度における温室効果ガス排出量実績は次のように計上しています。
| GHG排出量 | 内訳 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| Scope 1 | 2,561 | 2,213 | 2,416 | 2,576 | |
| Scope 2 | 6,693 | 6,862 | 7,170 | 7,140 | |
| 合計排出量 | 9,254 | 9,075 | 9,586 | 9,716 |