製造業が再生医療の現場に革命を起こす日

[ 事業背景 ]

2012年に設立された「再生医療システム部」は、シブヤの新たな挑戦だった。
「2000年に森本工場が新設されたときに思ったんです。無菌技術と自動化技術が手を組んだら、
新たなビジネスが生まれると。」

再生医療システム本部 技術部長である米田の先見の明は、シブヤに新たな風を吹き込んだ。
自動技術の研究室に所属していた米田は、当時、無菌技術の研究室にいた社員と手を組み、
再生医療システムの開発に着手した。誰に言われたわけでもなく始めたこの事業。
初めは2人しかいなかったプロジェクトも、2012年には部署化。
翌年の本格始動時には11人のメンバーを有するまでとなった。

「再生医療という研究内容もそうだが、この人がいたから始められた、この人がいたから
この発想が実現した、という、人の力が、この部署をここまで発展させたのだと思います。
メーカーとしての再生医療技術、というところにやりがいや面白さを感じて、シブヤの一員になりたい
という思いを持った人材が県外、地域外から来るようになりました。」

シブヤの再生医療システムは、医療の未来を創り続けている。

[ シブヤが見出した新たな活路 ]

現在、日本における再生医療のコストは、一人当たり2,000万円~3,000万円と、非常に高額だ。
そのため、再生医療を受ければ治療できるものを、高額ゆえにやむなく諦めるというもどかしさが、
今の医療現場で抱えている問題である。メーカーがこの再生医療を手掛ける理由は、まさにそこにある。

「メーカーが再生医療研究を行うことにより、ゆくゆくは品質にバラつきのない細胞を機械生産し、
再生医療の大幅なコストダウンにつなげることが出来る。そうでなければ、我々が再生医療を研究、
開発する意味がない。」
米田のこの熱意は、部署で研究に励む若手社員にとっても大きな影響を与えている。

技術部に所属する村居は大学時代、機械工学の道から細胞研究に魅せられた一人だ。
「自分の携わったものが世の中に流通するのを見届けられるのは、やりがいに繋がります。
いつか自分の作った細胞が患者さんのもとに届いて、ひとりでも多くの人が再生治療を受けられる
世の中を創りたいです。」
細胞加工培養部の藤沼は、大学の研究室を経てシブヤに入社した。

「これまでは研究対象でしかなかったものが、シブヤでの業務を通して大きな枠の中でしっかりと役割を見出しているのを肌で感じられるようになった。
これまでどことなく夢物語のように感じていた再生医療が、すごく身近なものになったのも、メーカーで再生医療を扱うからこそだと思っています。

[ どんな未来も、人の力なくしては拓けない ]

現在シブヤの再生医療システム本部には、他部署との兼任も含め43人の社員が所属している。

「職場には尊敬できる先輩がたくさんいます。その中でも僕が一番の目標としているのは、細胞のプロと
呼ばれている先輩です。博士号を持ったその人は、細胞に関してありとあらゆることに精通しています。
ですが僕は負けず嫌いなんでしょうね、そんな先輩の知識に負けたくない、という気持ちが強く、
とにかく知識を増やすことを日々の研究の中で課題にしています。細胞研究は海外でも日々新しい論文が
発表されていますので、世界の潮流から後れを取らない為にも、語学で躓くことがないようにしていく
必要があります。」(村居)

「シブヤでの研究は大学の研究室とは全く異なり、人との連携というものが大切だと日々痛感しています。
みんなで同じ目標に向かっているのですから、相手とのコミュニケーションが何よりも大切です。
直属の上司である課長は、とにかくコミュニケーションスキルが高くて、常にチームメンバーに対する
気遣いを怠らないです。そんな方が上に立っているからこそ、社内は常に風通しがよく、意見や相談が
しやすい雰囲気が漂っています。」(藤沼)

村居と藤沼がこう話す裏には、米田の想いがあった。
「どんな仕事でも、発想の原点はバラ色。自分ひとりが楽しいのは、ただの自己満足。部下や社員が楽しい、面白い、と思って仕事と向き合えば、自然と会社が楽しい環境になります。彼らの研究はとても専門的なので、時々畑違いの私にはさっぱり分からないこともありますが、研究に向き合う彼らが「楽しい」と思えていること、それがシブヤにとって一番大切な事です。」