

[ やっぱりものづくりがしたくて、学校へ入り直し ]
私は当初、理学療法士の資格取得を目指していたのですが、学ぶうちに自分のやりた
いことと違う気持ちが出てきました。というのも昔からプラモデルなどモノをつくる
ことが好きで「目に見えるカタチをつくって、人に喜ばれる仕事をしたい!」という
想いが強まり、理学療法士の学校から機械工作を学べる短期大学に入学し直しました。
就職活動ではいくつかのメーカーを見学したのですが、製品の幅広さを最も感じたシ
ブヤを志望して入社しました。
私が所属する工作Ⅰ部では、工作機械を用いた部品製作をおこなっています。
短大では旋盤加工、フライス加工は経験していたのですが、ここではNC加工など、
より幅広い技術が求められ、新たに学ぶこともとても多く、経験を積んでいる毎日で
す。

[ 成長とともにキャリアアップも実感 ]
先輩の仕事ぶりをみると正確さやスピードが私とは段違いだと感じます。
以前、大きな円筒形の部品を製作することがあったのですが、サイズが大きいため
削るときに材料が暴れてしまう「ビビリ」が発生してしまいました。私はそれに四
苦八苦していたのですが、先輩の手にかかると絶妙な力加減で振れ止めをしながら
綺麗に加工していきます。
学生時代は“ミスも勉強のうち”でしたが、仕事となると“ミスをいかに無くすか”
が重要になります。
ミスは技術的な精度の不足よりも「図面をしっかりと見なかったことで削り過ぎて
しまった」といった確認の不足で起こりがちです。
そのため図面は何度も確認する、技術的な不安があるのなら削りしろを多く取り、1
回1回の切り込みと寸法の変化を確認するなど、より慎重に進めるようにしています。
難しいと思っていた加工をミスなく仕上げられた時は本当に嬉しいものです。
標準時間内に作業を終えられれば自信が付き、上司からも認められ、より難易度の
高い加工にも挑めるようになります。
単なるルーチンワークではなく、自分で考え判断できるようになるために、どんな
技能や知識を身につけることでステップアップできるかが明確なので、それもやり
がいにつながっていると思います。

[ 何より大切なのは「向上心」 ]
現場ではそろそろ中堅の年代に差し掛かってきました。
数年前までは教わることが多かったですが、今は後輩社員に教える立場にもなって
います。
最初は誰しも上手くいかないものですが、それでも「ここは上手く加工できたね」「次
はここを丁寧に仕上げてみるともっと良くなるよ」といったように、いいところを
見つけて褒めるように心がけています。
加工をするうえで手先の器用さは重要ですが、私自身、器用さに自信があるわけで
はありません。
ただ「やるからには上手くやりたい」という向上心は持っているつもりです。
「プラモデルをつくるのが好き」「車いじりが好き」。
そんなものづくりの素養をお持ちの方が仲間として増えてくれたらいいなと思って
います。

